米中貿易戦争の小休止も
・安値は2800ポイントで、その時期は1月。
・高値は3500ポイントで、時期は11月。
こうした予想をする理由は、以下の通りだ。
・米中貿易戦争が一旦、小休止となる
米中貿易協議は第一段階での合意に達している。正式文書の調印には少し手間取っているようだが、時間の問題である。第二段階の合意は簡単ではないが、協議が決裂する可能性は低いだろう。トランプ大統領が仕掛けた米中貿易戦争であり、その行方はトランプ大統領次第である。11月の大統領選挙が終わるまではアメリカ経済、株価への影響に配慮せざるを得ず、中国側が足元をみて無理な揺さぶりをかけてこない限り、トランプ大統領は停戦を選択するだろう。
・中国資本市場の自由化、国際化が進展する
米中貿易戦争は中国に対して対外開放への圧力を強めているが、その外圧を利用して改革開放政策の加速、資本市場の自由化、国際化が進む。中国国務院は2020年、証券会社、先物会社、資産運用会社などに対する外国金融機関への資本規制を無くすと発表している。また、中国証券市場の国際化が進展することで、海外の株価指数算出会社によるA株の取り込みはさらに活発となり、海外機関投資家はA株への投資を構造的に拡大させる。
・積極財政政策、緩和気味の金融政策の継続
2020年は6%前後の成長率を保つと予想。足元の景気減速を受けて、インフラ投資の拡大、中国人民銀行による預金準備率の引き下げ、特定金融機関に対する貸出金利の引き下げなどにより、景気は下支えされるとみており、その結果、金融機関をはじめ上場企業の業績は崩れないと予想。
そのほか、不動産価格の上昇が収まったことで、当局による価格抑制策がフェードアウトし、不動産投資が回復に転じること、バリュエーションが比較的割安なことなども、株価を支える要因になると考えている。