厚労省の雇用均等基本調査によれば、2017年の男性の育休取得率はわずか5.14%だった。2005年までの0%台からは増加したが、男性の育休取得率が70~80%ある北欧諸国との差は歴然だ。
子育て支援アプリを運営する「コネヒト」などが1月末に公表した調査結果によると、育休を取得した男性の3人に1人は、期間中に家事や育児に費やした時間は悲しいことに、わずか1日2時間以下だった。
“イクメン”普及を目指す政府は、国家公務員の男性に1か月の育休取得を義務づけると発表したが、果たして効果があるのか、疑念が浮かぶ。東北大学大学院経済学研究科高齢経済社会研究センター長で教授の吉田浩さんが語る。
「育休の制度だけを整えても出生率の低下は止まらないことは、これまでの流れが証明しています。実際、今以上に男性が育児にかかわろうとしなかった1950年代の出生数は、今の約3倍なのですから」
男性の育休取得より、実際にどれくらい育児にかかわり、妻とシェアしてくれるのか、そちらの方が重要だと、ある女性(36才)は言う。
「私の育休中、夫は残業か飲み会かで、子供が生まれる前と全く同じような働き方をしていました。それでいて、休日は家でゴロゴロ。子供をお風呂に入れたりご飯を食べさせたりはおろか、あやしてくれたりすることもほとんどありませんでした。
夫の収入だけだと生活が苦しかったので、不安に思いつつも仕事復帰したら、案の定、ワンオペに。これでは第2子なんて考えられません」