今年もいよいよ確定申告シーズンが近づいてきた(2月17日~)。自営業者やフリーランスはもちろんだが、本来確定申告の必要がない会社員でも、申告することですでに支払った税金を取り戻せることもある。
確定申告は面倒というイメージも強いかもしれないが、2020年(2019年分)の確定申告では、スマホだけで申告を完結できるe-Taxの対象が拡大した。昨シーズンのスタート時は、対象となる控除が医療費控除やふるさと納税の還付などに限定されていたが、今シーズンからは給与以外の収入やすべての所得控除のスマホ申告が可能になった。
ただしスマホで確定申告を完結させるには、事前の準備が必要だ。1つはマイナンバーカードを使ってログインする方法、もうひとつは、事前に税務署に出向いてIDとパスワードの登録手続きをして、スマホからログインする方法だ。
前者の場合、スマホアプリから直接マイナンバーカードを読み取ることができて便利だが、マイナンバーカードを持っていない人はその発行に時間がかかるため、申告期限に間に合わせるのが難しいかもしれない。また、機種によっては対応しないスマホもある。たとえばiPhoneの場合、対応しているのはiPhone 7以降だ。
後者のIDパスワード方式なら、スマホの機種は問わないし、税務署に行けばその場でIDとパスワードを発行してもらえる。以前は添付が必要だった源泉徴収票や、医療費の領収書、株などの特定口座の年間取引報告書などは添付が不要になっているので、スマホだけで完結可能だ。
どちらも面倒という場合や、パソコンを持っていない人でも、スマホで申告書の作成と保存までを行い、プリンタやコンビニのネットプリントサービスで印刷するという方法にも対応している。最後に郵送するという手間はあるものの、さしあたりはこの方法が簡単かもしれない。
申告の期限は3月16日(月)だ。スマホで完結できるならギリギリでOKと考える人も出てくるかもしれないが、e-Taxは例年、その使い勝手の悪さから途中で挫折して郵送に切り替える人が続出しているという。スマホ申告の対象の拡大を機に、そうした使い勝手も改善されていると期待したいが、念のため早めに準備しておきたい。
文■森田悦子(ファイナンシャルプランナー/ライター)