首都圏住民にとって、「鉄道」は日々の生活に欠かせないものだ。毎日のように利用する路線や駅には愛着がわくが、その一方で重要なライフラインゆえに「なんでこんなに不便なんだ!」と、イライラが募ることもしばしば。
たとえば、新宿から小田原方面へ向かう小田急線。特急列車の「ロマンスカー」は箱根観光の交通手段としてよく知られている。下北沢、成城学園前、新百合ヶ丘など人気駅が多くあることでも知られるが、その一方で「停車駅差別」を訴える利用者が多かった。読売ランド前駅を利用する40代女性が語る。
「急行列車の停車駅に納得できません。『成城学園前』や『経堂』に止まるのは分かりますが、『向ヶ丘遊園』に止まって『読売ランド前』に止まらない理由が分からない。こちらは大人気の遊園地があるのに」
また、2018年3月まで快速急行が下北沢→新百合ヶ丘間に1駅も止まらなかったことも、長らく利用者の不満を募らせた。登戸駅を利用する50代男性が語る。
「2018年に我が登戸駅にも止まるようになったが、今度は周りの住民から“なんで登戸だけ”と言われる」
こうしたユーザーの声をあらためて小田急電鉄株式会社に伝えたところ、次のように回答した。
「急行などの優等列車の停車駅は、お客様のご利用状況、他社線との接続、停車駅間の距離、駅設備、運行本数(停車度数)、速達性などを総合的に判断して決定しています。
『向ヶ丘遊園』と『読売ランド前』については、乗降人員に開きがあるのが現状です。『読売ランド前』については各駅停車と速達性の高い列車との接続をよくするなど、利便性向上に努めておりますので、何卒ご理解いただきますようお願いいたします。
『登戸』はJR南武線との乗換駅であり、一日の乗降人員が非常に多いこと(*注)や、『向ヶ丘遊園』~『百合ヶ丘』間の利便性向上を図るため、新たに停車駅としました」(CSR・広報部)
【*注:2016年度実績:1日約16万人、駅別第5位(全70駅)、2018年度実績:1日約16万人、駅別第4位(全70駅)】
※週刊ポスト2020年2月28日・3月6日号