在宅医とのコミュニケーション不足から、看取りがうまくいかないケースもあると長尾さんは指摘する。
「余命わずかな段階で急に在宅医にかかっても、本人、家族、医師の間でどういう最期を迎えたいか人生会議をするのは難しい。在宅医とのコミュニケーション不足から、思った通りの最期を迎えられない人も多いです。また残念ながら、看取りの経験が乏しい在宅医もいます」
いい在宅医はどう探せばいいのか。
「元気なときから『かかりつけ医』を持っておくといいですね。その医者が在宅医療もやっていれば安心して頼めるでしょうし、やっていなければ信頼できる在宅医を紹介してもらえます」(長尾さん)
ちなみに山口さんの母は近所の病院に通っていたが、2018年に入ってから食事がとれなくなり病状が悪化。通院に不安を感じて2月から訪問医療についてケアマネジャーに相談したところ在宅医を紹介してもらった。山口さんは「本当にいい先生に巡り合えて幸運でした」と振り返っている。
※女性セブン2020年3月19日号