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新型コロナ蔓延、広告業界の苦悩に見る日本経済へのダメージ

広告会社の苦境はマスコミ一業種だけの問題ではない(イメージ)

広告会社の苦境はマスコミ一業種だけの問題ではない(イメージ)

 百貨店業界、旅行業界、飲食業界など、新型コロナウイルス感染拡大の被害が大きい業界は少なくない。マスコミの中では特に広告業界への影響が大きいようだ。

 有事の際の広告といえば、2011年の東日本大震災の時は4月下旬までAC(公共広告機構)のCMが民放各局で流れていたこと思い出す人も多いだろう。あの時は死者・行方不明者が多数出たほか、避難生活を余儀なくされた人も多く、出稿側が配慮してACのCMに差し替えられた。ただし、ACに差し替えた場合でも金銭が発生しているため、テレビ局や広告会社の収益に直接的なダメージがあったわけではない。

 むしろその後の自粛ムードの方が、広告業界への影響は大きかった。しかしながら、東日本大震災では関東以西では大きな被害が出なかったこともあり、被災地以外の経済は比較的しっかり回っていた。そのため業界全体の業績低下も限定されたものになり、比較的早い段階で回復を見せた。

 だが、今回は政府によるイベント自粛要請や学校の一斉休校などもあり、「震災時よりも全国的な影響は大きい」(広告会社営業)との声も出ている。そもそも3月は引っ越しや進学、就職など、人生のイベントシーズンでもあり、広告業界にとってもっとも“かき入れ時”の季節である。

広告会社が取り扱う企業はありとあらゆる業種に及んでおり、CMや広告だけでなく、イベント、記者会見、展示会など、一般的な企業活動のほぼすべてに関与しているといっても過言ではない。

 2月中旬以降、企業は記者会見を「無観客」にしてネットで生中継するなどの対応をしている。もしもその記者会見会場が感染元となってしまった場合、安全対策の杜撰さが批判され、イメージダウンは避けられないからだ。

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