孤独死とは、たまたまひとりで死んだだけのことであり、それ自体は不幸ではないと、佐々木さんは考えている。
「多くの現場を見てきて思うのは、腐敗するまで見つけられないような死に方は、幸福だったとはいえない、ということ。“誰にも看取られずに死ぬ”ということ自体は、不可抗力だったり、自分でそういう生き方を選んだのだから、幸不幸では語れません。しかし、“見つけてもらえない”のはまた意味が違うと思います」
ひとり暮らしの場合、亡くなってから一両日中には見つけてもらうように、準備をしておくことが大切だという。
「あるひとり暮らしのかたは、あえて新聞を購読し続けていました。玄関に新聞がたまっていたら、何かあったというサインになるから、と。そういう備えは必要だと思います」
いつ、何が起こるかわからないのが人生。特にひとり暮らしなら、死んだ後について、考えなくてはならない。それこそ、幸せな最期を迎えるために、必要なことなのだ。
※女性セブン2020年4月23日号