九州地方に、70代の両親と住む40代の女性・Cさんは、「家庭内ソーシャルディスタンス」を取るようになったという。
「きっかけは、緊急事態宣言後に父親がこっそりと飲み会に行ったことでした。うちは抗がん剤治療中の妹がいることもあって、特に予防に気を付けるべき状況。そんななかでの無神経な行為に、まず母が激怒。根拠なく『自分だけはならない』と信じている父の考えが、とても怖いです。
それからというもの、これまで取り分けスタイルだった食事はこっそり自分の分だけを最初にプレート移し、食事の時間も極力ずらしています。でも、気になるとどんどん気になってきて、今度は食器も別々に洗ったほうがいいのか、お風呂は同じお湯は避けたほうがいいのか、トイレの便座は毎回除菌すべきかなど、悩みは尽きません」
30代の男性・Dさんは、自分がリモートワークをしている中での両親の言動に対して、違和感を隠せないと明かす。
「仕事中であっても、家にいると、“家庭内での時間割”に沿って生活することを求められます。例えば昼ご飯は12時きっかりに食べさせようとするし、おやつの時間にはリモート会議中であっても話しかけてくる。普段は会社で働いているので、家族団らんが出来る貴重な機会でもあるのですが、もう少し在宅勤務への理解、配慮をしてもらいたいです……」
家族で力を合わせて乗り越えるべき難局だが、コロナを契機に、親との価値観の違いを突きつけられる人も少なくないようだ。