緊急事態宣言の解除を受けて、少しずつ在宅勤務から会社への出勤に戻りつつあるという人もいるだろう。だが、すべてが“コロナ前通り”というわけにはいかないようだ。在宅勤務の経験を経て、通勤会社員たちの「変わったこと」とは――。
通勤時の“ディスタンス”意識に変化
40代の男性会社員・Aさんは、緊急事態宣言解除の2日後、久しぶりに出勤した。家から会社への道のりは気が重たく、「いちど在宅勤務を経験すると、疲れるだけの通勤は無駄。このままテレワークでいいのに……」というのが正直な本音だった。そんなAさんは、久々に乗る電車の状況が今までと異なっていることに気づいた。
「まず、自動改札。今までは前の人にほとんどくっつく勢いで通過していましたが、今はゆっくり、前の人が通り終わってから並ぶようになりました。また、いつもより車内の音が大きいことで気づいたのですが、別に暑くもないのに窓が全開。最初は驚きましたが、換気のためだとわかると、少し安心できます。
混雑具合は今の段階では思ったほどではないですが、車内での“ソーシャルディスタンス”はちょっと厳しい。すし詰め状態に比べればまし、といった程度です。つり革につかまらなくてはならないほど混まないことを祈るばかりです」(Aさん)
オフィスメイクに変化
20代の女性会社員・Bさんは、在宅勤務と出勤が交代制になった。約2か月ぶりの出社となり、まず戸惑ったのはメイクだった。
「在宅勤務はほぼすっぴんだったので、オフィスメイクを思い出すのに時間がかかりました(苦笑)。メイクやヘアメイクなどの支度を合わせてざっと1時間、さらに通勤時間が約40分かかるので、もう約2時間のロス……。今度からマスクの上、目周りだけのメイクでいいかなと思っています」