さらに、意外なところでは男性用の薄毛対策剤が売れているという。
「オンライン会議が増えたことが関係しているのだと思います。ふだんあまり鏡など見ない男性が、オンライン会議の画面で自分の顔を長時間、直視することで危機感を覚えたのでは」(調達・購買コンサルタントの坂口孝則さん)
商品だけではなく、通販の利用自体にも変化が見られた。その1つが、インターネット通販を利用する高齢者が急増したことだ。これまで、高齢者はネットやスマホの利用率が低いといわれてきたが、感染リスクを避けるために、ネット通販に挑戦した人が増えたのだろう。三井住友カードの調査では、今年1~3月期のネット通販の利用件数の増加幅は、60~70代が20~30代を上回ったという。
「これまで通販を使っていなかった人たちが、これを機に重たいお米や水などは通販で買うようになるなど、通常の買い物と通販で買うものを使い分けるようになってくると思います」(流通アナリストの渡辺広明さん)
また、商品の受け取り方にも変化が。それが、ドライバーに玄関先や宅配ボックスに荷物を置いてもらう「置き配」と呼ばれる配達方法だ。
「昨年からドライバー不足が叫ばれており、その解決手段として置き配が注目されたのですが、盗難を恐れる心理からあまり定着しませんでした。ところが、コロナによって、対面受け取りによる感染リスクを下げるため、置き配が一気に普及しました」(前出・坂口さん)
家電から美容まで、通販を便利に賢く利用することは、“ウィズ・コロナ”の世の中における常識になりそうだ。
※女性セブン2020年6月18日号