で、この不安の元は何かというと、やっぱり安倍政権の“失策”の筆頭、アベノマスクにたどり着くんだよ。事業費を当初466億円と見込んでいたけど、6月1日の記者会見で菅義偉官房長官は「総額が約260億円」と発表。206億円も安くなるって、どういうこと?
民間企業でここまで大きな見積もりミスをしたら、何人の首が飛ぶか。タダでは済まない誤差だよ。それに配布が終わっているはずの5月末までに「約37%にとどまっている」って、守れなかった納期をよくもまあ、いけしゃあしゃあと発表できるもんだわ。
こういう“スチャラカお役所仕事”をしておいて、なんで民間より高い賞与を受け取れるのか。しかも公務員はボーナスとはいわず、「勤勉手当」というのだそう。勤勉な人のミスなら「私がやらかしました」と懺悔しそうなものだけど、名乗り出やしない。
黒川検事長の定年延長問題もそう。さんざんモメたあげく、本人の賭け麻雀で自滅。公職も公職、泣く子も黙る検察のナンバー2でありながら、違法賭博をして処分は「訓告」って何? 「いけません、メッ」と叱られて6000万円近い退職金が出るって、どう納得したらいいんですかい。それも平時じゃないんだよ。「受け取れません」とか、「半分返します」と言ってもいいと思うけど、言わないねぇ。
こういう人たちに、下々の暮らしがどれだけわかるのか。今月来月は給付金10万円が支給されたら何とかしのげるけど、半月給付が遅れたらアウト。再来月の家賃と保険料、どうしよう。
緊急事態宣言が出てから2か月間、ずっと心のどこかでお金の心配をしていたのは私だけじゃないと思う。飲食業はじめ、自営業者はみんなそう。一般企業に勤めるサラリーマンだって、定年退職後、年金支給までの間、アルバイト収入に頼っていた人もそうよ。
それでも「命あってのモノダネ」と思うから、お上の緊急事態宣言を受け入れ、「ステイホーム」した。コロナ明けをしたらしたで、いよいよ地獄の釜の蓋が開くという覚悟も、それぞれにしていたと思う。