投資情報会社・フィスコが6月15日~6月19日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は戻りの鈍い値動きか。米連邦準備制度理事会(FRB)のイールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)導入への市場の思惑は後退していないことから、ドル売り圧力がかかりやすい見通し。発表予定の米経済指標が市場予想を上回った場合、ドル売りは縮小するものの、新型コロナウイルス「第2波」への警戒がドルの戻りを抑制しそうだ。
FRBは6月9-10日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利の据え置きや資産買入れ維持のほか、2022年末まで政策金利をゼロ付近とする方針を決めた。焦点となっていたYCC導入に関しては、次回のFOMC会合でも議論を継続するとみられている。FOMCメンバー内でも、低金利を維持しながら消費のテコ入れなどにYCCは有効との意見もあり、市場では年後半の導入が見込まれている。5日に発表された米雇用統計は想定外の大幅改善をみせたが、パウエル議長は10日のFOMC後の記者会見で、雇用情勢の回復に関し引き続き厳しい見方を示した。市場観測を反映して米長期金利は一段と低下しており、ドルの先安観が台頭しつつある。
【米・5月小売売上高】(16日発表予定)
16日発表の5月小売売上高は、前月比+7.8%で4月実績の同比-16.4%から大幅な改善が予想される。雇用情勢の改善によって、個人消費はある程度持ち直しているとみられる。
【米・6月フィラデルフィア連銀景況調査】(18日)
18日発表の6月フィラデルフィア連銀景況調査(製造業景気指数)は-27.5と、前月の-43.1から改善が見込まれる。ただ、製造業の急激な回復は見込みにくいとの思惑から、市場予想と一致してもドル買い要因にはなりにくい。