テレワーク関連市場がにわかに活気づいている。オンラインでの会議や商談のために自宅のICT環境を整備したり、机や椅子などデスク周りの設備を整えたりするニーズが急増しているためだ。なかには、家で仕事をするためにリフォームまで行うケースもあるという。フリーライターの吉田みく氏が、コロナ禍で自宅リフォームを決意したワーキングマザーを襲った思わぬ顛末をレポートする。
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都内のIT企業に勤める美咲さん(仮名・40歳)は、新型コロナウイルス感染拡大防止のために在宅勤務へと切り替わった。同じ職場で働く夫も同様であったため、家族の憩いの場であった自宅が仕事場も兼ねるようになった。
「在宅勤務に切り替わったのは良かったのですが、作業スペースがないのがネックでした」(美咲さん。以下、「」内同)
特に休校期間中、小学生の2人の子どもたちが自宅で賑やかにしている中での仕事は、集中力が続かないなどデメリットも大きかったようだ。
緊急事態宣言が解除された6月以降も、美咲さん夫妻の在宅勤務は継続となった。会社からもリモートワークを推奨されるようになり、社内ではこの先も在宅勤務が続きそうな雰囲気だという。
子どもたちが小学校へ行っている間は静かに作業ができるものの、放課後、帰宅すれば仕事を続けるのは厳しいのが現実。美咲さんの夫も、集中できるスペースの確保を望んでいた。
「思いきって、自宅をリフォームすることに決めたんです」
新築の戸建てを購入して10年も経っていなかったが、仕事のことを考え決意したという。住宅ローンが残っているので、無理のない範囲のものを考えていた。
「リビングに扉付きの書斎スペースを用意しようと思っていたくらいだったんですが、近所に住むママ友のせいで話が大きくなってしまったんです」
一体どういうことか。