今週の日経平均は、買い上がりの決め手に欠けるなか、引き続き23000円をにらんだもみ合いが継続することになりそうだ。新型コロナウイルスの感染者増加に歯止めがかからず、むしろ国内では東京都だけでなく主要都市に広がりがみられる。しかし、感染者数の増加による東京市場への直接的な影響は限定的となっている。むしろ、米国市場のナスダック総合指数やNYダウ先物の時間外取引および1ドル=106円台とやや円高に振れつつある為替の動向に左右される展開となっている。
異例の会期延長でEU(欧州連合)復興基金案が合意され、米国では新たな包括的経済対策案が検討され始めるなど政策対応も本格化してきた。28日からのFOMC(連邦公開市場委員会)、29日のパウエルFRB議長会見でもマーケットにとってマイナスの材料が出現することは考えにくい。30日の米4-6月期GDP、31日の米6月個人所得・個人支出、中国7月製造業PMI、ユーロ圏4-6月期GDPと株式市場にインパクトのある経済指標の発表を控えて、日経平均の上値を抑える可能性は高いものの、売り込み材料にも働かないことが予想される。
22日の株式市場は、4連休を控えているにも関わらず日経平均の下げは比較的軽微だったことから考えると、大きく売りが先行する懸念も薄い。日経平均など指数的には不透明な展開が見込まれるが、4連休が明けて決算発表が本格化することで、物色は活性化されることが期待される。21日に好決算を発表した日本電産<6594>が22日にかけて8日続伸し1月の年初来高値を一気に更新してきたことで、好決算のハイテク株にはリスクオンムードが生じやすくなっている。
東京市場の22日大引け後の連休期間中に決算を発表する米国企業のテスラ、マイクロソフト、ツイッター、インテルなどにサプライズがあると、週明けの東京市場も上値をうかがう展開が期待できる。このほか、中小型株では、今9月期業績を増額修正したマザーズのマクアケ<4479>が22日は一時ストップ高の5連騰で3月末から株価3倍超となるパフォーマンスを見せている。コロナ禍、アフターコロナの局面でも企業成長が見込まれる銘柄を選別する、業績相場が本格化してこよう。
今週の主な国内経済関連スケジュールは、27日に7月14・15日開催の日銀金融政策決定会合の「主な意見」、1-3月期の法人企業統計確報、28日に6月企業向けサービス価格指数、30日に6月商業動態統計、31日に6月失業率・有効求人倍率、6月鉱工業生産、7月の消費動向調査の発表がそれぞれ予定されている。
一方、米国など海外主要スケジュールでは、28日にFOMC(29日まで)、米5月S&PコアロジックCS住宅価格指数、米7月CB消費者信頼感指数、29日にパウエルFRB議長会見、米6月中古住宅販売仮契約、30日に米4-6月期GDP、31日に米6月個人所得・個人支出、中国7月製造業PMI、ユーロ圏4-6月期GDPが予定されている。