中学生や高校生にとって髪型は大きな関心事だが、また新たな“髪型問題”が持ち上がってきているようだ。3月の東京都議会で、共産党の都議が、一部の都立高校に存在する「ツーブロック禁止」という校則について質問したところ、都の教育委員会は「外見等が原因で事件や事故に遭うケースがある」と回答。それが7月になってTwitterで採り上げられたことをきっかけに話題になり、事件や事故と髪型の関連性が謎だと議論になっている。
「ツーブロック」とは、トップが長く、サイドや襟足を短く刈り、段差がある髪型のこと。近年ではサラリーマンなどにも見かける髪型だが、高校生には相応しくないと判断されたということだ。事件や事故に遭うとは不思議にも思える理由だが、ツーブロック歴が30年にも及ぶ、ベテランツーブロッカーのAさん(40代/自営業)は、髪型ゆえの珍しい経験をしてきたという。
「私がツーブロックにしたのは高校時代の1990年頃。大好きなロックバンドのメンバーが、サイドを大胆に刈り上げていて『これはイイ!』と思い、始めたのがきっかけです。初めて床屋でお願いした時は、説明するのが大変でした。
床屋のおじさんは、そんな注文をされるのは初めてのようで、何度も説明をさせられた挙げ句、『本当に切るからね』『良いんだね』と言われたのを覚えています。当時はツーブロックという単語を知らなくて、『横と後ろはバリカンで刈り上げて、上の部分は長いまま、毛先だけ整えてください』と言っていました」(Aさん、以下「」内同)
当初は、「マッシュルームカットで内側が刈り上げ」というスタイルだったAさん。マッシュルームがどんどん伸びていき、長髪になった部分を結ぶようになると問題も出始めてくる。
「当時は非常に珍しい髪型だったので、口をぽっかり開けてジーッと見つめられたり、私の方をジロジロと見てヒソヒソ話をされたりするのはしょっちゅうでした。見知らぬおばさんに突然呼び止められ、『その髪型は、いったいどうなってるの?』と聞かれたこともあります。