投資情報会社・フィスコが、株式市場の7月27日~7月31日の動きを振り返りつつ、8月3日~8月7日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は3週間ぶりに下落し1カ月ぶりに22000円を割り込んだ。
企業決算が期待に届かなかったハイテク株を中心に売りが出てNYダウは23日に353.51ドル安、24日に182.44ドル安と大幅続落した。4連休明け27日の東京市場は、米インテルの株価急落がネガティブ視された半導体関連に売りが先行して、日経平均は朝方に一時322.04円安まで下げる場面があった。ただ、日銀のETF(上場投資信託)買いが支えとなって大引けにかけては下げ幅を縮小し、TOPIX(東証株価指数)は反発した。
新型コロナウイルスのワクチン開発進展や政府の追加経済対策への期待が高まった27日のNYダウが3日ぶりに反発した流れをくんで28日の日経平均は小幅高で寄り付いたが、後場に入ると、東京都の新型コロナ新規感染者数が270人程度と伝えられマイナスゾーンに沈んだ。個別では、今期大幅赤字見通し発表の三菱自<7211>が大幅安となった一方、米国子会社が新型コロナワクチン開発に絡み米政府の資金拠出を受ける富士フイルム<4901>が上昇した。
28日のNYダウは、追加経済対策の議会合意を巡る不透明感が台頭するなどして反落した。FOMC(米連邦公開市場委員会)開催を受けて大規模な金融緩和が維持されるとの見方から、為替相場が一時1ドル=104円台まで円高に振れると、29日の日経平均は一段安で始まり、後場は日銀のETF買いが流入したものの下げ幅を広げ、4日続落で大引けた。個別では、第2四半期(4-6月)の赤字転落や減配が嫌気されたキヤノン<7751>が急落したほか、円高を受けたトヨタ<7203>も軟調推移となった。
パウエルFRB議長が記者会見で、「景気回復を支援するためにあらゆる手段を活用していく断固とした方針」を再表明したことを好感し29日のNYダウは反発した。これを受けて30日の日経平均も反発で始まったものの、ドル安・円高などが重しとなって朝高後は失速、後場に入ると、東京都の新型コロナウイルス新規感染者数が過去最多を更新し、都が飲食店などの夜間時短営業の要請を検討と伝えられると大引けにかけてジリ安となった。