投資情報会社・フィスコが8月24日~8月28日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は底堅い値動きか。米国での新型コロナウイルスの感染再拡大が深刻化するなか、「連邦準備制度理事会(FRB)はいずれ追加の金融緩和策を検討する」との見方は根強い。ただ、8月27-28日開催のジャクソンホールでの年次総会(オンラインでの開催)で9月の連邦公開市場委員会(FOMC)での政策変更(追加緩和策の導入など)の可能性が低下すれば、ドル売りは後退しそうだ。8月19日に公表されたFOMC議事要旨(7月28-29日開催分)では、積極的な刺激策を従来の見通しよりも長期間にわたり堅持される可能性が示された。9月15-16日開催のFOMCに向け、ジャクソンホールでの金融当局者による発言から、フォワードガイダンス強化などへの思惑が広がればドル売りに振れやすい。
ただ、7月開催のFOMC議事要旨にはイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)に否定的な見解が盛り込まれ、市場の金利低下期待は後退していることから、ドル売り圧力はある程度緩和されるだろう。一方、米中両国は第1段階の通商合意を確認するための閣僚級会合を予定していたが、直前で延期された。ただ、履行状況を確認するための実務者レベルの会合が近く開かれる見通しで、両国関係の悪化への懸念は和らぎリスク回避的な円買いは後退しそうだ。
また、米国株式の上昇基調もドルの支援材料となろう。NY株式市場では、S&P500種やナスダック総合指数が過去最高値を更新する強気相場となり、株高がこの先も続けばドル売り・円買いを弱める要因となりそうだ。8月27日発表予定の4-6月期国内総生産(GDP)改定値は若干の上方修正が予想されており、市場予想とおおむね一致すれば、株買い・ドル買いに振れる展開となろう。
【ジャクソンホール年次総会】(8月27-28日開催予定)
米カンザスシティー地区連銀主催の年次総会で、今年のテーマは「今後10年の進路:金融政策にとっての意義」。オンライン開催となるが、欧米の金融当局者の発言内容がユーロ買いを後押しする可能性がある。
【米・4-6月期 GDP改定値】(8月27日発表予定)
8月27日発表の米4-6月期 GDP改定値は、空前の落ち込みを記録した速報値の前期比年率-32.9%から上方修正された場合、ドル売りを弱める可能性も。