ご質問では手数料の額を各店舗に任せているとありますが、手数料がネットマーケット利用に必要な経費で、その額を各店舗ではなく、マーケットの運営業者が決めている場合、購入できる出品商品の価値との兼ね合いで、手数料が高いと思えば、そのマーケットを利用せず、合理的な金額であれば、ネットで買う賢い消費者であることが大切です。もし、手数料を統一するとネット上のマーケット間の競争原理が働きません。もっとも、それはネットの利用において公正な競争であることが前提です。
有力な少数業者が手数料額を事実上支配しているような場合は、独占の懸念もあり、政府が業界を指導するなど、ある程度の介入が望ましいケースもあると思います。
【弁護士プロフィール】竹下正己(たけした・まさみ):1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。
※週刊ポスト2020年9月18・25日号