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『半沢直樹』モデルJAL再建 銀行が泣いて終わった政治介入

 政府の主導でJALの再建は成功したかのように見えるが、事態はそれほど単純ではなかった。

「JALに対する優遇に批判が起き、自民党が政権を奪還すると、今度は羽田空港の新たな発着枠を多く割り当てるなどANAを優遇する政策に出た。結果、ANAは体力に見合わない増便のため航空機を購入し、足りない分はリースで調達してランニングコストが上昇、そこを新型コロナが直撃した。今は雇用調整助成金という政府資金で生き延びている状態に陥っています」(同前)

自動車業界に政治介入が起こりやすい理由

 こうした政府や政治家による企業への介入は、幾度も繰り返されてきた。埼玉学園大学の相沢幸悦教授(日本経済論)は、こう分析する。

「航空業界はまさに交通インフラとして社会との関係が深く、政府の許認可もあるだけに政治介入されやすい。政権交代など大きな変化が起こるとその流れに翻弄される。それと同じ特性があるのは自動車業界です。許認可事業ではありませんが、日本の就業人口の約1割が就業し、他産業への波及効果も大きい。だから政治介入は起こりやすく、そのなかでも特別な存在なのが日産です」

 この9月7日に発覚したのは、日本政策投資銀行が決めた日産への1800億円の融資のうち、1300億円に事実上の「政府保証」がついていたことだった。政投銀が危機対応融資で結んだ損害担保契約としては、2009年のJALに対する融資(約670億円)を上回る過去最大規模だ。

 この「政府保証」は、日産が借金を返済できなくなったときに政府が100%出資する日本政策金融公庫が肩代わりすることになる。

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