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身近に広がる「フェイクミート」、気になる健康への影響は?

フェイクミートの健康への影響は?(肉を使っていないハンバーガー。共同通信社)

フェイクミートの健康への影響は?(肉を使っていないハンバーガー。共同通信社)

 昨年、アメリカの大手コンサルティング会社ATカーニーは「2040年には、私たちが消費する食肉製品の60%は植物由来の代替品か、培養された代替肉になる」と予測したが、日本でも同様の動きが見られている。食品業界で“黒船”といわれる「フェイクミート」が、日本のコンビニや外食産業などで大きな広がりを見せているのだ。

 フェイクミートとは、大豆や小麦、エンドウ豆などを主原料として作った肉の代替食品のこと。コンビニやレストランでも、このフェイクミートを使った商品やメニューが存在感を増している。各食品メーカーもフェイクミートに力を注いでおり、ハンバーグなどのレトルト食品のほか、ハムやソーセージなどの加工肉、ミンチや薄切りといった精肉として使える商品としてもスーパーに並び始めている。

環境への配慮から世界的なブームに

 フェイクミートが流行する背景にはいったい何があるのだろうか。食に関するレポートを多数持つフードアクティビストの松浦達也さんは次のように分析する。

「フェイクミートによるムーブメントは、2015年以降にアメリカで広がりました。その理由として挙げられるのが、環境への配慮。2015年に国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)により、環境への負荷が少ない食料供給が課題とされてきました。牛肉1㎏を生産するためには、家畜の肥料などで11kgの穀物、20.6トンの水が必要とされていますが、豆類であれば、もっと小さい環境負荷で生産することができるのです」

 また、ブームには、健康意識の広がりも大きく関係しているという。

「日本人は1960年からの半世紀で肉の摂取量がおよそ10倍も増え、現在は1人あたり年間30㎏ほど食べているといわれています。同様にアメリカ人の摂取量も増加の一途をたどっており、1人あたり年間100kg近く食べているという統計があります。そのことにより、アメリカでは若年層でも高コレステロール状態になるなど深刻な健康問題に発展しているのです」(前出・松浦さん)

 そこで、ヘルシーに“肉”を食べられるとして、フェイクミートが注目されているというわけだ。

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