住んでみたい街の理想と現実には、得てして大きな差があるものだ。憧れのあの街は果たして本当に素敵な街なのか? まったくノーマークだけど、実は住みやすい街は? 今回は「本厚木」(神奈川県厚木市)について、ライターの金子則男氏が解説する。
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厚木というと、イメージされるのは「厚木基地」「厚木インター」「シロコロホルモン」あたりでしょうか。そんな厚木が9月上旬から、にわかに脚光を浴びています。不動産情報サイト「ライフルホームズ」が行った「コロナ禍での借りて住みたい街ランキング(首都圏版)」で、本厚木駅が1位を獲得。4月以降、物件の検索や問い合わせ数が増えていることが分かりました。「いきものがかり」の出身地で、駅の発車メロディにも曲が採用されている本厚木。その魅力を検証してみましょう。
鉄道は小田急線のみですが、大切な注意事項があります。小田急線には厚木駅と本厚木駅がありますが、栄えているのは圧倒的に本厚木駅。ややこしいことに厚木駅は海老名市にあります。本厚木から新宿までは約50分で、都心まで乗換なし。朝のラッシュ時はノロノロ運転になり、所要時間は1時間前後になりますが、十分に通勤通学圏内と言えるでしょう。
道路状況ですが、このあたりは基本的に車社会。東名高速、新東名、圏央道、小田原厚木道路、国道246号、国道129号、国道468号ほか、主要幹線道路が絡み合うように通っていて、東西南北どこへ行くにも便利です。ただ、その便利さ故に物流の拠点となっており、交通量は猛烈。厚木という地名は渋滞情報でおなじみですが、平日はトラックで、休日は観光地に向かう車で、一年中、朝から晩まで混み合っている印象で、移動時間が読めません。
ゴルフ、温泉、登山、釣り… 遊びの選択肢は非常に豊富
「コロナ禍での借りて住みたい街ランキング」を見ると、本厚木の他、大宮、千葉、八王子などもTOP10にランクイン。都心からそこそこ距離があるものの、ダイレクトで都心にアクセスできる街が人気になっていますが、その中でも本厚木は、遊びの選択肢が非常に豊富です。