投資情報会社・フィスコが10月12日~10月16日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円はもみ合いか。来月行われる米大統領選に向け、共和党のトランプ大統領と民主党のバイデン候補(前副大統領)の政策や発言が注目され、株価動向を主要な手がかりとした相場展開となりそうだ。最新の情勢調査では、バイデン氏がリードを広げており、同氏の勝利に思惑が広がりやすい。10月15日開催予定の第2回大統領候補討論会が材料視されそうだ。トランプ陣営は対面での討論会を要望しているようだが、そこでの発言内容は為替相場や株価に影響を及ぼす可能性があるため、無視できないイベントになりそうだ。
トランプ大統領は新型コロナウイルスに感染し治療を受けたが、すでに公務に復帰。新たに打ち出した航空業界や中小企業への支援策や自身の治療経験に基づくワクチン開発などで突破口を探る。対するバイデン候補は大幅な増税とそれを原資とした大型投資を盛り込んだ政策を主張するとみられる。
株式市場では当初、バイデン氏の政策はウォール街を念頭に置いた増税で株価の下落要因としていたが、その後は経済の活性化につながるとの見方に変わりつつあり、情勢調査でのバイデン候補のリードは株高要因になるとの見方が増えている。その場合、ドル買い・円売りがやや優勢となる可能性があるものの、欧州における新型コロナウイルスの感染流行は終息していないことから、ユーロ買い・米ドル売りが増える可能性は低い。欧州中央銀行(ECB)はユーロ高を警戒していることや、豪準備銀行やNZ準備銀行も緩和的な金融政策を長期的に維持する方針を維持しており、対米ドルで欧州通貨やオセアニア通貨は買いづらく、米ドルが相対的に強含みとなる見通し。
【米・9月消費者物価指数(CPI)】(13日発表予定)
13日発表の9月消費者物価指数(CPI)は前年比+1.2%と前月の+1.3%からやや鈍化、コア指数は+1.8%の見通し。FRBの一部の非ハト派的な見解もあるが、利上げは程遠くドル売りの手がかりに。
【米・9月小売売上高】(16日発表予定)
16日発表の9月小売売上高は前月比+0.7%と、8月の+0.6%から改善が見込まれる。個人消費の増大が確認できれば年末に向け回復期待が広がりドル買い要因に。