投資情報会社・フィスコが11月23日~11月27日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は弱含みか。米国における新型コロナウイルスの感染者数は大幅に増加しており、経済制限などの強化による景気への影響に懸念が広がりそうだ。もう一段の金融緩和が観測され、株価や長期金利の低下を手がかりとしたドル売りが想定される。直近で発表された11月ミシガン大学消費者信頼感指数、11月NY連銀製造業景気指数、10月小売売上高は市場予想を下回る低調な内容だった。
今週発表されるIHSマークイット11月製造業・サービス業購買担当者景気指数(PMI)、11月CB消費者信頼感指数、7-9月期国内総生産改定値(GDP)などの経済指標が市場予想を下回った場合、景気減速への警戒感が高まりそうだ。12月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)での追加緩和に思惑が広がれば、長期金利の低下を招き、ドルの下押し要因となりやすい。
米国の政治情勢の不透明感も嫌気されそうだ。今月3日に行われた大統領選はバイデン民主党候補の勝利がほぼ確定したが、トランプ大統領は敗北宣言をせず、政権のスムーズな移行は不透明だ。追加経済対策に関する与野党協議の行方も注視されよう。一方、コロナ対策のワクチン開発に関しファイザーやモデルナなど大手メーカーによる臨床試験が成果を上げ、早期実用化が待たれる。相場の押し上げ効果としては弱まっているものの、金融市場にとっては好材料で、リスク許容度の低下を目先もある程度抑制する手がかりとなろう。
【米・IHSマークイット11月製造業・サービス業PMI】(11月23日発表予定)
11月23日発表のIHSマークイット米11月製造業・サービス業PMIが市場予想を下回った場合、株安・ドル安につながる見通し。10月はサービス業の改善が目立ったが、コロナ感染再拡大の影響が懸念される。
【米・7-9月期 GDP改定値】(11月25日発表予定)
11月25日発表の米7-9月期 GDP改定値は、コロナまん延に伴う制限措置の影響で急激に持ち直した速報値から下方修正された場合、持続的な景気回復への期待は後退し、株安・ドル安の要因となろう。