「現金書留で送ってちょうだいよ」
小学生の姪にお年玉を渡そうと思い、姉に普段使っている電子決済サービスを聞いたところ、「ポチ袋に入れて郵送してくれる?」と返されたという。その理由に、浅川さんは驚いた。
「『電子マネーじゃ味気ないじゃない? 現金書留で送ってちょうだいよ。こういうのって“雰囲気”が大切なんだから〜』と、ちょっと偉そうに言っていました」
しかし浅川さんは、ポチ袋を郵送するために郵便局へ足を運ぶことは「不要不急の外出」だと判断し、姉の要望を断ることに。事情を話せば姉も納得してくれると思っていたのだが……。
「引く様子はなかったです。電子マネーでお年玉とポチ袋代を渡すから、姉のほうで購入して入れてほしいといったのですが、『なんか違うじゃん?』と、やや怒り気味。マイルールを押し付けないでほしいですよ」
その後も話を聞いてみると、要は、“おじさんが私(姪)のために用意してくれたお年玉”という形が大切だということが言いたかったそうだ。浅川さんとしてもそこまで言うのなら……と思い、姪にも話を聞いてみた。
「姪は、全然気にしない様子でした。むしろ、『お仕事頑張ってね!』と言ってくれましたよ。姉だけが一人で突っ走っているように見えました。もしかすると、ママ友同士でもらったポチ袋の枚数でも競っているのかもしれませんね」
姪からの助け舟もあり、現在のところは電子マネーでお年玉を渡す方向で固まっているようだが、姉から何を言われるかわからないので、まだ油断できないと浅川さんは大きなため息をついていた。
ポチ袋に入れたお年玉を直接手渡すことができたら、一番“雰囲気がある”のは間違いない。が、今回はコロナ禍の正月である。浅川さんの姉が言う「味気ない」という気持ちもわからないではないが、ここは臨機応変で柔軟な考え方が求められそうだ。