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「巣ごもり特需」の任天堂 好調継続中で来期最高益更新あるか

空前の大ヒットを記録している『あつまれどうぶつの森』(写真/時事通信フォト)

 時代や景気の移り変わりとともに、企業を取り巻く環境は絶えず変化する。30年以上にわたり、さまざまな企業を取材し続けてきた経済ジャーナリストの和島英樹さんが、今注目の企業・業界の動向を分かりやすく解説する。今回は、コロナ特需で好調が続く任天堂について。

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 コロナ禍の「巣ごもり需要」の高まりで、業績好調が続くゲーム業界。その恩恵を大きく受けたのが任天堂だ。同社は11月5日に発表した決算で、2021年3月期通期の営業利益見通しを従来予想の3000億円から前期比27.7%増の4500億円に上方修正している。売上高も従来予想から2000億円増の1兆4000億円となる見通しだ。

 業績を押し上げたのが、家庭用ゲーム機『Nintendo Switch』(以下、スイッチ)本体とゲームソフトの売上だ。スイッチ本体の世界累計販売台数は6830万台と、1980年代に大流行した『ファミリーコンピューター』(以下、ファミコン)の6191万台を上回り、今年3月に発売したスイッチ用ゲームソフト『あつまれどうぶつの森』(以下、あつ森)の世界累計販売本数も2604万本と空前のヒットを記録し、ハード、ソフトともに品薄の状態が続いた。

 それに伴い同社は、予想販売台数もスイッチ本体は1900万台から2400万台に、あつ森は1億4000万本から1億7000万本に上方修正している。同社の古川俊太郎社長はオンライン会見で、「ハードの生産状況が回復し、スイッチのハード、ソフトともに好調な販売が継続した」と語っている。コロナの影響で一時停滞した生産が夏場に回復し、第3四半期に入った10月以降も勢いは継続しているようだ。

 あつ森は、プレーヤーが無人島の住人となって、虫や魚を獲ったり、道具や家具を作ったりして、自分好みの島を作りながら他の動物やプレーヤーとのコミュニケーションも楽しめるゲーム。外出自粛中のお供にぴったりのゲームだ。あつ森の他にも、『スーパーマリオ3Dコレクション』や『マリオカート8デラックス』、冒険しながらフィットネスにもなる『リングフィットアドベンチャー』などの売れ行きも好調だったという。

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