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2021年の「初日の出」どうなる?「北極振動」の動きから読み解く

元旦に太平洋に昇る「初日の出」は見られるか?

 毎日何気なく目にする天気予報。だが、通勤や移動、旅行の計画から健康状態まで、天候の変化は日々の暮らしに大きく影響するもの。気象予報士の田家康さんが、旬なテーマをピックアップし、知って得する天気のお役立ち情報をわかりやすく伝える。今回は年末年始の寒気の襲来と関東地方の初日の出について。

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 12月も中旬に入り、東京の最高気温は10℃程度までしか上がらず、まさに冬本番の寒さとなってきた。街並みはクリスマスからお正月と華やぐシーズンではあるものの、今年ばかりは新型コロナウイルスの流行で、忘年会も年末年始の遠出も控える人が多そうで例年とは違う様相だ。

 だが、会食も旅行も出来ない正月、感染対策をしたうえで初日の出くらいは見に行きたいという人もいるのではないだろうか。マイカーに乗って海岸から眺めるくらいなら「密」も避けられるだろう。そこで今回は、関東地方で元旦に初日の出が見られる可能性について展望してみたい。果たして今年の元旦の朝は晴れるのか、大きなポイントはシベリアからの寒気の到来だ。

「冬将軍」とも呼ばれるシベリアからの寒気は、北海道から本州にかけての日本海側で大雪を降らせる。これらの地方にとっては災害にも発展する難物だが、山岳地帯に雪が降ることで空気中の水蒸気が減少し、その空気が太平洋側に抜けると冷たく乾燥した強風となって降りてくる。つまり、日本海側に住む方々には申し訳ないが、日本海側にこの寒気が到来すると、太平洋側で湿度が極めて低い晴れ間の時間が長くなり、初日の出を拝める可能性も高まるというわけだ。

 この寒気はもともと北極に由来するもの。そして、シベリアを経て日本列島に到来するのだが、重要な指標として「北極振動」というものがある。これは、北極周辺の極寒地域と日本や欧米を含む中緯度地域の気圧が相反して変動する現象のこと。相対的に北極周辺の気圧が低く、中緯度の地域で気圧が高くなると、中緯度地域の暖かい空気が北極周辺の冷たい空気を押し込め、北極に寒気が閉じ込められる。一方、北極周辺の気圧が高く、中緯度地域の気圧が低くなると、北極の寒気は中緯度地域に押し出される。前者を「北極振動がプラス」と言い、後者を「北極振動がマイナス」と言う。

 北極振動がマイナスになり、北極由来の極寒の空気が中緯度に押し出される時、地形などの関係で西から東へと流れるジェット気流が上空1万メートル付近を蛇行する。この蛇行を受けて、極寒の空気が到来する地域とそうでない地域で凸凹が出来る。シベリアからの寒気は、蛇行するジェット気流に沿って日本に到来してくる。

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