新型コロナの感染拡大に歯止めがかからず、1月に発令された緊急事態宣言の対象地域も拡大されている。医療体制の逼迫が懸念されるうえ、医療機関でクラスター(集団感染)が確認されるケースもあり、ちょっとした体調不良なら病院に行かずに様子を見る、という人も少なくないのではないだろうか。同様に悩ましいのが毎年受けている健康診断の受診判断だ。
「今、医療関係者たちの余計な手間をかけたくないので、体調管理や怪我には気を付けています。そのなかで、悩んでいるのが健康診断。僕はこれまで検査に引っかかったこともないし、不要不急のもののような気がする。かといって、何か病気が隠れているかもしれないし……」
そう話すのは、IT企業に勤める30代男性・Aさん。もともと健康診断の日程は昨年11月だったが、新型コロナの影響で後ろ倒しになった。だが、変更された日程は今年1月下旬だった。
「11月時点でわからなかったとはいえ、よりにもよって感染者が増え、緊急事態宣言が出ている最中に行かないといけないのか。でも、会社からのお達しで、行かないという選択肢はない。秋に行っておくべきだったのではと、憂鬱です」(Aさん)
メーカーに勤務する20代女性・Bさんも、1月中に健康診断を受けなくてはならない。もともと会社から昨年6月~今年1月の間に健康診断を受けに行くようにと言われており、まもなく期限がやってくる。しかし、見送ることも考えているという。
「夏あたりに行っておけば良かったと後悔しています。先伸ばしにしてしまったのは自分のせいとはいえ、どうにかキャンセルできないのか、担当者に相談してみようと思っています。見送ることができたらいいのですが」(Bさん)
Bさんが受診予定の病院は、過去に新型コロナの院内感染があったという。当然その後の対策には気をつけているだろうが、Bさんは「自分が知らず知らずのうちに、外からコロナを持ち込んでしまったらどうしよう、と気になります。病院には免疫力が低い患者の方もたくさんいるわけですし……」とその足は重い。