新型コロナウイルスによる雇用環境の悪化で、中高年の再雇用や再就職に暗雲が垂れ込めている。再雇用が難しく、再就職先も見つからずに“空白期間”が生じた場合、どうすればいいのか。
「まずは、雇用保険の失業給付を利用することを考えましょう」というのは、社会保険労務士の北村庄吾氏だ。
この失業給付をどのくらいの期間、受け取れるかには、少しの違いで大きな差が生じる。
たとえば、会社を「自己都合」で辞めた場合(令和2年10月1日以降、懲戒解雇以外の「正当な理由がない自己都合」で離職した場合)は一般受給資格者として2か月の給付制限期間があるが、解雇など「会社都合」で辞めた場合は特定受給資格者として制限期間が免除される。
「『特定受給資格者』のことを“マル特”と呼んでいますが、マル特になるかどうかで、受け取れる総額は大きく変わります」(前出・北村氏。以下「」内同)
マル特になる条件については、細かく知っておく必要がある。
「基本的には、会社の倒産によって離職したり、リストラなどによって解雇された人が相当します」
ただし、その線引きには“グレーゾーン”が存在するので、注意したい。
「組合と揉めることやイメージダウンを嫌う企業の中には、実態はリストラなのに社員を肉体・精神的に追い込み、自己都合退職にもっていこうとするケースが多々あります。その場合は労働局に相談すること。労働局が照会し、長時間労働やパワハラなど労働環境が悪かったと認められれば、マル特になれる場合があります」