2月28日、みずほ銀行のATMで、またも大規模障害が発生した。今回は、多くの利用者のキャッシュカードや通帳が呑み込まれたのだ。対応の遅れは際立っていた。最初のエラー発生は当日9時50分頃だったが、行員が現場に駆けつけたのは発生から7時間後の17時すぎだった。
それまで現場に行員がいなかったことについて、みずほ銀行のコーポレート・コミュニケーション部はこう説明する。
「休日でもあり、コールセンターの人員が手薄で、お客様からの電話に十分に対応することができなかった結果、全体把握に時間を要してしまったものと認識しています。2月28日14時にコールセンターの増員を開始し、14時30分には全営業店の職員に出勤・お客さま対応の指示を出すとともに、警備会社にも対応人員の増強を指示したものの、その時間が結果として遅かったものと認識しています」
システム障害を防ぐことはもちろん、何かあった際に迅速な対応が求められるのは当然だろう。他の2メガバンクに障害発生時の対応を聞いた。
「休日平日問わず、障害発生時の連絡態勢を整備しており、予め定めている緊急事態のマニュアルに則った対応を実施します」(三菱UFJ銀行広報部)
「万が一障害が発生した場合はお客様への影響を最小限とし、社会インフラの機能を適切に果たすべく、休日や夜間にかかわらず迅速に対応が取れる体制を整えております」(三井住友銀行広報部)
ただ、両行とも「何時間で体制を整えられる」という明確な基準は回答で示さなかった。ある銀行業界関係者は、「基本的にどの銀行も何かあったら行員が勤務地にかかわらず、自宅に近い支店などに駆けつける仕組みなどがある。だが、今回のみずほ銀行のように出店指示そのものが遅れれば、当然、行員が現場に着くまでに時間がかかる。システム障害を繰り返すみずほとは違うとはいえ、他行も全くの他人事ではないだろう」と語った。