首都圏1都3県に発令されていた緊急事態宣言は21日に解除された。飲食店への時短要請は継続するが、閉店時間は午後9時に緩和。酒類の提供は午後8時までに変更になった。時短要請に応じた店舗に支給される協力金は、一律6万円から減額され4万円となる。
1月8日から始まった2度目の緊急事態宣言がようやく幕を下ろしたわけだが、そもそも緊急事態宣言とは何だったのか、と訝しがっている人は少なくないようだ。約2か月半の間に人々が感じた違和感や本音とは。
「新規感染者数の減少が下げ止まっているし、むしろ東京は増加傾向にあるくらいなのに……。なぜ今、このタイミングで解除するのか疑問です。一体何のためだったのか」
そう語るのは、医薬品メーカーで働く30代の男性会社員・Aさんだ。「最悪のタイミング」だと不思議がる。
「卒業式、入学式、花見、歓送迎と、イベントが盛りだくさん。今までの反動で、人が集まって宴席を設けるのは必然の流れではないでしょうか。飲食店は1時間延長されただけとはいえ、お酒の提供は20時までになっているので、だいぶ賑わいそう。協力金も減ったことだし、20時以降に“闇営業”するお店も増えるのでは?」(Aさん)
人材業界で働く40代の女性会社員・Bさんも、宣言解除のタイミングが引っ掛かるという。
「緊急事態宣言は、最後のほうはすっかり形骸化していたのは事実だと思います。ただ、宣言を出したり解除したりする基準が不明瞭過ぎる。今度はどうなったらまた宣言が出されるのか。なるべく在宅でとか、なるべく外出を控えるようにとか、ふわっとし過ぎ。オリンピック開催に向けた解除なのかなとか、勘ぐりたくなります。政府の体面のために、国民を振り回さないでほしい」(Bさん)
感染拡大を防止する意味では、解除後の対策がカギになるわけだが、Bさんは「あまり期待できない」と暗い顔つきだ。