メールやSNSのメッセージを“なる早”で返信する「即レス文化」。メールでも返信は早いほうが「仕事ができる」印象で、LINEを即レスしない「既読スルー」は“よくない”こととして捉えられがちだった。それでも「即レスしない」をモットーに、マイペースを貫く女性たちがいる。彼女たちはなぜ、即レスを拒否するのか。その言い分を探った。
メーカーに勤務する30代女性会社員・Aさんは、「在宅ワークになってから、即レスを求められることが増えた気がする」とボヤく。
「みんな家にいることがわかっているので、『メールは返せるはずだよね』という空気感が蔓延しているのが恐怖です。ちょっとメールを返さないと、『届いていますか?』と追っかけメールがきたり、電話がかかってきたりする。
メールに即レスしないからって、仕事が遅い、サボっている、できない奴と烙印を押すのはちょっと違うと思うんですよね。重要性や緊急性の高いメールは、できる限り早く返信していますし、すぐに返信するものとそうでないものを分けているだけです」(Aさん)
Aさんは、つい最近も50代の男性上司とのやり取りで苦痛を感じたばかりだという。もはや“即レスハラスメント”のようだと言葉を強める。
「『俺のメールを読んだらすぐ返信しろ』と言われました。言い分としては『読んだかどうかわからない』から、とのことですが、私のスケジュールは共有ツールで把握しているはずだし、勤務時間中はネットに繋いでいるんだから、随時読んでいますよ。『読みました』というだけの返信って、いりますかね??? 私の判断で返信してないんだよ、うっせぇわ、って声に出かかりました」(Aさん)
プライベートでも即レスを求める男性に、呆れているのというのは飲料業界で働く20代の女性会社員・Bさんだ。ある時、「Bってさ、返信遅いよね。既読スルーも多いし……そんなに忙しいの?」と、元同僚の40代男性から指摘されたという。
「基本的に2日以内には返信するようにしていますが、『遅い』と言われます。例えばLINEだと、ニュースアカウントに埋もれてしまい、気づかないこともよくある。オンラインゲーム中だと、返信どころではありません。動画を見ていることもあるし、そんなにSNSがすべての最優先事項じゃない。おっさんのほうがSNS大好きなんじゃないですかね。しかも即レスするような内容でもないものに対して、どう返事すればいいのかわからない。面倒です」(Bさん)