どうしても、「親の面倒は子供が見るべき」という風潮はある。だが淑徳大学社会福祉学科教授の結城康博氏は、「そんな声は気にしなくていい」と強調する。
「親戚などの手前、無理をしてでも自力で親を介護しようとすると、肉体的にも精神的にも疲弊して追い詰められ、最悪の場合、自分の親に手をかける介護殺人が起きてしまいます。いまだに『施設に入れるのは親不孝だ』という声がありますが、悲劇を未然に防ぐためにも、自分と家族の生活を優先的に考えて、無理をしない範囲で親の面倒を見るべきです」
誰にとっても難題で、なかなか正解が見つからない在宅ひとり親問題。それでも、経験者が教える「やってはいけないこと」を通して、「やるべきこと」が見えてくる。
※週刊ポスト2021年4月30日号