大規模修繕の時期には、反対派の住人から誹謗中傷のビラを撒かれたこともあったという。
「先日、雨に濡れたエントランスで住人女性が滑って転倒。尾てい骨にヒビが入り、『管理組合の責を問い、訴える』と言い出した。もしそうなれば私が法廷に立つのでしょうか……。5歳下の妻には『理事長なんかやらなければ平穏に暮らせたのに』と責められ、身の置きどころがありません」(同前)
東海地方に住む63歳男性は、サッカーチームを主宰する友人に誘われて、地域の子供向けスポーツ教室の手伝いを始めるようになった。
「60歳で退職後、再雇用で働いています。休みの日に朝から出かけるのは辛い時もありますが、運動も子供も好きだから、やりがいは大きい」
そう語る男性だが、「子供たちの保護者とうまくいかない」と嘆く。
「挨拶の徹底やケガをしないよう子供を厳しく指導すると、『怖い』『パワハラだ』とすぐ騒ぐ。朝練に妻の手作りサンドイッチを差し入れたら、『食中毒の恐れがある』と食べてもらえなかった。友人には『こういう時代だから余計なことしないで』と言われ、彼との関係もぎくしゃくしてしまった。第2の人生の初っ端でつまずいた感じです」(同前)
地域デビューの“光と影”を知らないと、第2の人生に大きな誤算が生じることになる。
※週刊ポスト2021年5月21日号