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自宅の相続の考え方 「誰に譲りたいか」より「税負担を軽くする」が重要

自宅の相続でもめないよう準備すべきことは?(イメージ)

自宅の相続でもめないよう準備すべきことは?(イメージ)

 自分が亡くなった後、遺産相続を巡って家族がバラバラになる──そんな悲しいことはないだろう。そういったトラブルを避けるために、相続や生前整理について正しい備えが必要だ。

●自宅の相続は「自分の考え」より「妻子の生活」

 預貯金などの財産が少ない場合はとくに、「自宅」を巡ってトラブルになるケースが多い。妻と子の関係が険悪な場合は、分け方でもめないように遺言書で遺産配分を明記しておくとよい。相続・終活コンサルタントで行政書士の明石久美氏はこう話す。

「課税強化によって都市圏でマイホームがあれば相続税がかかる家族もいますから、“誰に譲りたいか”だけでなく“どうすれば妻子の税負担が軽くなるか”を考えたい。

 妻がある程度の財産を持っている場合、妻が亡くなった後の『二次相続』で子供たちが大きな税負担を強いられるリスクがある。子供に相続させたほうが得になることもあるので、税理士など専門家に相談して、家族の負担が軽くなる方法を考えるといいでしょう」

●生前整理は「誰かに渡す」より「みんなで分ける」

 遺品整理は手間がかかるので、“生前からの形見分け”も多くなった。ただ、特定の人だけを対象にすると、それもトラブルを招きかねない。

「貴金属などの高価なものは、どの子供たちも欲しがるケースが多い。たとえば娘が2人いて、姉だけを呼んで渡すと、妹はいい気持ちがしません。相続では、そういうちょっとしたことが積もり積もって感情的な争いになりがち。だからこそ、できれば子供全員を呼んで分けてもらうのが望ましい」(明石氏)

 別掲の表には、死ぬ前に家族と相談して準備しておきたい10の手続きをまとめた。“一体なんて死に方してくれたんだ!”と恨まれないために、考えるべきことは多い。

※週刊ポスト2021年6月18・25日号

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