噂、悪口、皮肉……普段なら立ち話で済ませられても、いまはコロナ禍で、気軽に友達と会って話もできないことから、そのうっ憤をSNSに書き込んで晴らす人が増えている。しかし、SNSの怖さは証拠が残るうえ、誰が見ているかわからないことだ。
「SNSの誹謗中傷事件が多数報道されているのに、依然、匿名だからバレないと、悪口を投稿する人は多くいます」
とは、企業を中心に炎上対策を行う『MiTERU』取締役の東智美さんだ(以下「」内同)。特にコロナ禍以降、著名人に対してだけでなく、個人への書き込みトラブルが急増したという。
「その場のノリで書き込んだ悪口がトラブルに発展。書き込みを削除してほしいという相談が少なくありません」
しかし、SNSに上げた投稿は消えない。発信者が削除しても、誰かがその画面の写真を撮って保存していれば残るのだ。悪口といえば軽くとられがちだが、名誉毀損罪や侮辱罪にあたる違法行為。いつかはその保存データを証拠に訴えられるかもしれない。
「SNSの怖いところは、思いもよらない知人同士がつながっていて、知らない人にまで情報が広がる点です。たとえ引っ越しをして、いまの仲間から距離を置いても、個人情報は広まり、新居の近所の人に誹謗中傷したことが周知される可能性もあるのです」
うっかりつぶやきそうな人は、取り返しのつかないことになる前に、踏みとどまろう。
取材・文/前川亜紀
※女性セブン2021年7月1・8日号