IoTがグローバルに広く拡大することは明白であり、すべての機器が華為技術のOS上で動くようになるとしたら、中国の弱点は大きく補強されることになる。一方、アメリカにとっては、安全保障上の脅威となりかねない。
現状、アメリカは、新疆ウイグル自治区での強制労働や、香港での政治的な中国化、台湾海峡の安定などの問題で中国に対する攻勢を強めている。しかし、足元の中国の経済統計は好調そのものである。アメリカによる対中強硬策は少なくともマクロベースで見る限り、影響はほとんど出ていないといってよいだろう。現在の対中強硬策では中国の経済発展を止めるのは難しいのかもしれない。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うフリーランスとして活動。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」(https://www.trade-trade.jp/blog/tashiro/)も発信中。