「10年以上連絡をとっていなかった高校時代の友人から急に携帯に電話がかかってきて、それをきっかけに同窓会を開いたことがありました。何年も仕事をしていなかった取引先から電話がきて、そのまま仕事を受けたこともあります。その時は番号を変えずに良かったと、しみじみ思いました」(Aさん)
Aさんは、2~3年に1回の頻度で機種変更をしており、その度にアドレス帳を引き継いでいる。つまり、現在持っているスマートフォンには、大学時代の携帯電話のアドレス帳も入っているのだ。
「最初に持っていた携帯電話は漢字が入力できず、半角カタカナしか使えなかったんですが、いまのアドレス帳にも半角カタカナで登録した番号がそのまま入っています。また、最初のころは、属性によってグループ分けをしていましたが、引き継ぐ間にグループ分けもめちゃくちゃになり、いまとなってはまったく整理されていません。アドレス帳については、引き継ぎを繰り返した結果、逆に不便になってしまいましたね……。ただ最近は電話を掛けるにしても、LINEやFacebookのメッセンジャーなどを使うことのほうが多くて、アドレス帳はほとんど使っていないので、そんなに問題ではありません」(Aさん)
番号を変えたいけど変えられない
逆に携帯の番号を変えたくても、変えにくいという人もいる。神奈川県在住の30代前半の女性会社員・Bさんは言う。
「正直、人間関係のリセットで携帯電話番号を変えたい時もあるんですが、番号を変えるといろいろな手続きをしなくてはならなくなるのが面倒です。私は固定電話を持っていないので、カード会社やアパートの管理会社など、電話番号が必要な時はすべて携帯電話の番号を登録しているんですが、番号を変えたら、そういったところにいちいち連絡して変更届けをしなくてはならない。そう考えると憂鬱で、結局携帯の番号は同じまま使っています」(Bさん)
確かに固定電話の番号はめったに変わるものではなく、引っ越しなどがない限り、変更の手続きをするケースは稀。しかし、固定電話を持たない人にとっては携帯電話が固定電話の代わりとなり、その結果番号を変えづらくなっているという事情はありそうだ。