認知症になって「たんす預金」を忘れるリスクも
定年後のお金事情に関して安易に始めるとハマってしまう「落とし穴」5選を、三原さんの監修のもとにまとめた。
【1】退職金で投資デビュー
プロでも失敗するものなので、“にわか勉強”で退職金を一括投資するのはあまりに危険。また、「毎月分配型」の投資信託を銀行の窓口ですすめられることがしばしばあるが、手数料が高く、分配金も元本を取り崩しているだけのケースが多いため避けたい。
【2】一時払い外貨建て終身保険への加入
外貨建ては円を外貨に換え、使うときに再度、円に換えるという二段階に手数料がかかる方式。しかも満期時に円高になっていると契約時より目減りしてしまうことも。よほど老後資金に余裕があったり、相続対策に加入が必要である場合を除き、損となることが多い。
【3】不動産投資(マンション投資)
賃借人がいてはじめて家賃が発生するため、空き部屋になった場合は家賃収入が入らない上、管理費や修繕積立金、固定資産税などの負担があり、逆にマイナスとなり得る。現金が必要となったときも、売却してすぐにお金が手元に入るわけではないので要注意。
【4】退職金での住宅ローン一括返済
手元の預貯金が一気に減ってしまうため、備えが重要な老後にはハイリスク。将来的に介護が必要となって施設に入ったり、子供家族の家へ転居する可能性なども考えたとき、売却想定額と照らし合わせて、一括で繰り上げ返済をする必要があるのかを考慮したい。
【5】たんす預金
災害時に紛失や盗難にあっても保証されることがないため、多額の現金を自宅に置くのは危険。また、認知症などによってたんす預金していること自体を忘れてしまう可能性も。
その他、手元の現金を目減りさせる「生前贈与」や「預金を取り崩しての旅行」もNG。また、サプリメントや動画サービスなど「毎月の継続課金」は、契約していることを忘れたり、本人が亡くなってからも引き落としが続くことがあるため手を出さない方が無難だ。
※女性セブン2021年8月12日号