コロナ禍での開催となった東京五輪で、日本選手団は史上最多の金メダルを獲得して幕を閉じたが、中でも国民に大きなインパクトを与えた競技のひとつがスケートボード。今大会から採用された同競技では、男女4種目のうち3種目で日本勢が金メダルに輝き、今後、日本のお家芸となりそうな勢いだ。
東京五輪以降、スケボーブームの兆しは至るところに現れているようだ。足立区在住の男性はいう。
「私はウォーキングが趣味で、真夏のこの時期は日が暮れてから土手や公園などをウォーキングしていますが、オリンピック以降、目に見えてスケボーをやっている人が増えました。いかにもヤンチャそうな男の子たちが数人集まり、中には上半身裸になっている子もいて、せっせと練習している姿をあちらこちらで見かけます」
日本ではあまり知られていないが、アメリカにおけるスケボー人気は凄まじく、トップ選手の収入は億単位。男子ストリートで金メダルを獲得した堀米雄斗選手もロサンゼルスに豪邸を構えている。手軽に始められて、上手く行けば莫大な富を得られるのだから、若者が飛びつくのももっともだ。スケボー歴20年以上のYさん(40代男性)は、スケボーの魅力をこう語る。
「スケボーは初期費用が2万円くらいで、専用の靴を買っても3万円以内で収まるはず。最初はヘルメットとプロテクターも用意した方が良いかもしれません。公園でやる分にはお金は掛かりませんし、スケートパークもせいぜい1000円くらい。無料の所もあります。きちんと基礎から教えてくれる所もありますが、私は完全に自己流で覚えました。
スケボーをやる人は仲間意識が強くて、知らない人に『さっきの技、どうやってやるんですか?』と聞くこともあれば、初心者の人に『そういうやり方だとケガするよ』と注意したりすることもある。他にも滑れる場所の情報交換をするなど、スケボーを通じて仲良くなることも珍しくありません。ボクもスケボーを通じて知り合った20才以上年下の友達がいます」
白い目で見られることも多かったが…
ただ、始めるにあたって注意すべきことは多いという。Yさんはこう続ける。
「まず、どれだけ注意してもケガはやっぱり多いです。擦りむいたり、捻挫したり、骨折したり。スケボーをやってる人で、一度もケガをしたことがない人はいないでしょう。
それから、一見どこでも出来そうに思えるスケボーですが、実は滑れる場所はそこまで多くありません。公園はスケボー禁止の所が非常に多いですし、音が大きいので住宅街もNG。街中で滑って通報されたり、人、自転車、車にぶつかりそうになってトラブルになった話もよく聞きます。