オリンピックを見ると、手すりや階段を滑ったりしていますが、ああいった行為も一切ダメ。せっかく“スケボーOK”だった場所でも、大音量で音楽を掛けながら滑ったり、ゴミを散らかしたまま帰ったりするマナーの悪い人が出てくれば、“スケボー禁止”になることもあるでしょう」(前出・Yさん)
Yさんはわざわざ車で移動し、人気のまったくない国道の高架下で滑ることもあるという。ただ、五輪競技に正式に採用されたことで、スケボー業界には強い追い風が吹いている。フリーのスポーツライターはいう。
「野球、サッカー、水泳、陸上競技など、競技人口が多いスポーツの競技施設を作ることは公共性という点で理に適っていますが、これらはいずれも莫大な費用が掛かります。その点、今回から五輪競技に採用されたスケートボード、BMX、スポーツクライミング、3人制バスケットボールなどは、遥かに安く施設を作ることができ、ランニングコストもそれほど掛からない。今年3月には、焼き物の街として有名な茨城県笠間市に、国内最大級のスケートボード施設が完成しました。開園式には茨城県知事も出席しており、街の魅力を高める手段の1つとして期待が高まっています。
これまではスケボーをやっていると言うとどこか白い目で見られることもありましたが、五輪競技に採用され、しかも日本代表選手が目覚ましい結果を残したことで、自治体としても建設にGOサインを出しやすくなりました。これからスケボー施設が一気に増えていくのではないでしょうか」
東京五輪のスケートボード会場となった「有明アーバンスポーツパーク」は、五輪後もその施設を一部残す方針だと報じられており、スケボー施設が存続する可能性は十分ある。こうした施設が増えていけば、ますますスケボーをやる人たちの裾野も広がっていくのではないだろうか。