近頃、街なかで見かける機会も増えた「電動キックボード」。シェアリングサービスなども登場し人気化している。その一方で、これまでになかった乗り物だけに、歩行者や自転車、自動車と共に公道を走るための交通ルールの周知徹底が求められている。
現在、人気となっている原動機付きのキックボードは、法律的に「第一種原動機付き自転車」として扱われている。いわゆる“原付自転車(原チャリ)”と同じ位置づけで、車両にはナンバープレートやバックミラーを設置しなくてはならない。運転するには原動機付自転車の運転免許も必要だ。
また“原付”と同じということで歩道の走行は禁止されており、車道を走らなければならないのだが、現実問題として、電動キックボードで歩道を走る利用者もいるようだ。都内に住む40代の主婦・Aさんも、歩道を走る電動キックボードにヒヤリとした経験がある。
「私が住んでいる地域は若い人も多いからか、電動キックボードを利用する人が結構います。車道を走っている人もいますが、歩道を勢いよく走っている人も多いんですよね。おそらく自転車と同じくらいの速度だと思うんだけど、後ろから急にビュンと抜かれると本当に怖い。あと、スマホなんかを持ちながら運転しているのか、ちょっとフラフラしている人もよく見かけます。本当に歩道を走るのだけはやめてほしいです」(Aさん)
こうした交通ルールの問題は残っているが、その部分がクリアになれば「新しい便利な乗り物」として一気に普及する可能性もある。電動キックボードのシェアリングサービスをよく利用しているという都内に住む30代会社員の男性・Bさんは、利用シーンについて次のように語る。
「最初は大きめの車道も走っていたんですが、やっぱり車と一緒に走るのは怖い。たまに煽られるようなこともあって、いまは歩道がなくて交通量の少ない道だけで乗るようにしています。主に近所に食事に行く時などは重宝しています」(Bさん)
電動キックボードのメリットは、「自転車よりもラク」なことだという。
「単純なんですが、まず漕がなくていい。電動キックボードは基本的に立っているだけなので、体力的にラクです。たまにスーツを着ているときにも利用しているんですが、スーツがしわになったり汗をかいたりすることを気にしないで済むのもメリットだと思います」(Bさん)