そうした苦い経験から、Bさんはスマホ以外に、フィーチャーフォン(ガラケー)、交通系電子マネー(カード)、手帳、電子書籍リーダーを使うようになったという。
「スマホを紛失した経験から、別に連絡手段を確保しておくことはマストだと思いました。ガラケーを持って、電話機能を別に確保しただけで安心感が違います。自宅のパソコンでもLINEを使えるようにしました。交通系の電子マネーも、スマホが便利だと思っていましたが、落とした時に使われてしまうリスクを考えて、カードに。持ち物は増えましたが、スマホが消耗しなくなったのでモバイルバッテリーの持ち歩きが不要になったうえに、スマホ本体のバッテリーも消耗せず、長く使えるようになりました」(Bさん)
カメラ機能が向上したスマホは高すぎる!
スマホからカメラ機能を分離させようとしている人もいる。人材紹介会社で働く20代男性・Cさんだ。長年、利用しているiPhoneの価格が、どんどん高額化していることが原因だ。
「最近のiPhoneは10万~15万円くらいしますよね。カメラ性能の向上は、最初すごいと思っていたのですが、それによってだんだん本体が高額化していく風潮をどうにかしてほしい。確かに写真はキレイに撮れたらいいと思いますが、僕はそこまで写真も撮らないし……。高いお金を出してまでカメラ性能が高いスマホを買うなら、いっそスマホとカメラを別々に購入した方が安いのでは、と思い当たりました」(Cさん)
現在、iPhone 8を使用中のCさん。小型カメラかAndroidスマホを購入する予定だという。
「僕の使用用途だとiPhone 12や13はオーバースペックなので、メインスマホはiPhone SE(第2世代)あたりに替えて、追加で小型のミラーレス一眼を買うか、2万~3万円くらいでカメラの性能がそこそこいいAndroidスマホをカメラ専用機として買った方が満足度が高そうな気がしています。一眼だとレンズを替えて、写真表現を工夫する楽しみもあるので魅力的。型落ちの中古でも十分ありです」(Cさん)
多機能化が進み1台でなんでもできるようになったスマホだが、あえて集約より分散の道を選ぶ人もいるようだ。