「使わない」だけでなく「飲まない」物にも価値がある。
「お酒がその代表で、サントリー『山崎50年』は去年、2500万円という高額な値段がつきました。『響35年』も275万円で取引されました。『響』はそれほど年代物でなくても5万円程度で取引される物もあります」(同前)
現役時代は使っていたが、引退後は使わなくなり、処分に困っている物を抱えている人も多いだろう。スーツやコート、腕時計はその典型であるが、これらは“売る時期”が重要となる。木暮氏が語る。
「コートなどの冬物が高く売れるのは、業者の買取強化が始まる夏から秋に差しかかる頃からで、11月頃が買取のピークです。男性だと、腕時計を売りたいとの人が多いですが、これは夏と冬のボーナス前である春と秋が買取のピークとなるので、時期を見て査定に出すのが良いでしょう」
しかし、なかには高値がつかない物も出てきてしまう。そこで役立つのが、「フリマアプリ」だ。
実際のフリーマーケットに出品するには、事前に申し込んで出店場所を確保し、現場に売る物を運ばなければならないが、スマホさえあればネット上で簡単に取引ができるうえ、思わぬ高値がつくこともザラにある。
「電源の入らないパソコンや画面の割れたテレビといったジャンク品から、古本や古着、デパートの紙袋まで、あらゆる物が売れます」(木暮氏)
粗大ゴミとして処分する場合は、費用がかかることも考えると、フリマアプリで売ったほうが断然お得だ。
フリマアプリを利用するシニア層も増えており、フリマアプリの一つ「楽天ラクマ」では、2016年からの3年間で70代以上の新規登録者数は約50倍に伸び、「メルカリ」では、60代以上の一人当たり平均年間出品数は約72個で20代の約2倍にものぼるという。
「特に60代以上の男性で売上額が多いのが、PC・タブレットやゴルフ用品で、女性ではバッグ、着物や食器になります」(メルカリPR)
まずは自分の家にある不要品を整理することから始めよう。
※週刊ポスト2021年11月5日号