「もしも、専門店の台湾カステラを忠実に再現した商品を開発するなら、クリームを使わないという選択肢もあったはずです。やはり台湾カステラというと、シンプルでなおかつ大きめのサイズというのが定番ですから。でも、コンビニで商品化するとなると、シンプルなだけだとあまり印象に残らないというデメリットがある。さらに、1人で食べることを前提とした商品となるので、大きなサイズというのもの難しい。“小さくてシンプル”となると、どうしても物足りなさが出てしまうため、コンビニではクリームを使用するという選択に至ったのではないでしょうか。
そういった事情があるなかで、台湾カステラの生地の再現性を追求したのがローソンで、台湾カステラの要素をより親しみやすいケーキに落とし込んだのがファミリーマート、という印象を受けました。おそらく、コンビニスイーツとしては、ファミリーマートのほうがよりオーソドックスなスタイルで、ローソンのほうはちょっと“攻めた商品”ということなのかもしれません」
専門店とはまた違った味わいを楽しめるコンビニの台湾カステラ。食べ比べしてみるのも面白いかもしれない。