鈴木氏は「富裕層のリベンジ消費」と「庶民のリベンジ消費」が相乗効果を生むとみる。
「日本には金融資産1億円以上の富裕層が133万世帯いる。多くは資産を株や投資信託で増やしているから、高級なレストランでの外食や高級リゾートへの旅行、それに伴う服飾などの消費を増やすと予想される。
一方、庶民も我慢していたレジャー消費をしたい気持ちは強いが、コロナで残業が減って実収入が下がり、余裕がないのが実情です。そこで重要なのが旅行や飲食の費用の最大半額を補助するGo Toキャンペーンの再開。Go To予算はまだ2兆円残っており、追加の経済対策も行なわれる。半額補助されれば、庶民もリーズナブルなホテルや旅館を利用した旅行や外食、イベントに行くきっかけになるし、外出が増えればアパレルや化粧品などにお金を使う」
コロナで“強制貯蓄”させられていた20兆円が使われると、消費は一気に回復し、企業の業績も上向き、日本経済は力強くV字復活していくことも考えられる。
「感染第6波の心配もあるので、リベンジ消費は来年春にかけて本格的なピークを迎えると見ています」(鈴木氏)
企業や業界団体も今年度内は大規模なパーティを控えているが、「4月から夏にかけてすでに宴会場は予約でいっぱいです」(都内ホテル関係者)という。“コロナ明けは4月”と経済活動本格化の時期を見据えていることがわかる。
※週刊ポスト2021年11月12日号