毎年、夏場になると盛り上がるのが「冷やし中華にマヨネーズ」論争だ。とくに愛知・岐阜・三重の中京圏とその周辺、東日本では福島県をはじめ東北地方の一部で、この食べ方を好む人が多いそうだ。
「これらの地域では、飲食店やスーパーの冷やし中華にもマヨネーズが添えられていることがほとんどです。ただ、総務省の家計調査を見ても、当該地域でマヨネーズの消費量が突出している傾向はない。なぜか冷やし中華に限って、マヨネーズとの組み合わせが好まれているのです」(野瀬氏)
同じエリアでも、県境を越えれば食べ方や味付けががらりと変わることもある。
「東北各地では芋煮会が盛んに行なわれますが、山形県では『牛肉+醤油』の組み合わせが一般的なのに対し、お隣の宮城県や福島県では『豚肉+味噌』がデフォルト。そのため、東北中から人が集まる仙台市では、芋煮の味付けを巡る小競り合いが起こることも珍しくないそうです」(野瀬氏)
日ごろ口にしている料理や食材も、たまには違う食べ方をすると新発見があるかもしれない。