【ADVICE】判断が鈍る夜の買い物は避けて決済は朝に
オバ記者がハマったワナがどんなものだったのか、どうすればハマらずにすんだのか──。『9割の買い物は不要である』などの著書があるマーケティング&ブランディングディレクターの橋本之克さんと、消費生活アドバイザーの丸山晴美さんに話を聞いた。
「実際にお金を支払うリアル決済は手持ちの現金が減る手応えを感じられます。一方、クレジットカードなどの引き落としは自動的に行われて、多くは明細を細かくは確認しない。お金を支払っている感覚が欠如してしまいます。買い物の便利さに比例してお金を失いやすくなります。支払い方でお金の価値の感じ方が変わるのです」(橋本さん)
またネットショッピングをするときに多くのサイトを見ても、情報量が多すぎて必要なものが見つけられず、脳が過労状態となり判断が鈍る。さらに、自分に都合のいい情報ばかりを無意識に集めたり、マイナスな情報を無視するといった行動に出てしまう。
どのような対策があるだろうか。丸山さんは言う。
「例えば同じ6000円でも、現金とネットショッピングの表示額では、後者の方を軽く感じてしまう。そこで、ネットで決済する前に現金を財布から出す。そして、『このお金を払っていいんだね?』と自分に問う。
大丈夫と思うならポチッとすればいいし、このお金を支払うとあれもこれもできなくなると思うなら×で終了させる。悩んだ時点で買うべきではありません。夜の買い物は日中の疲れもあって判断が鈍るので、とりあえずカートに入れて、決済するのは朝にする。そうするだけで、ムダな買い物の大半は防げます」
【プロフィール】
野原広子/「オバ記者」の愛称で知られる。1957年、茨城県生まれ。空中ブランコ、富士登山など、体験取材を得意とする。
橋本之克さん/マーケティング&ブランディングディレクター。昭和女子大学 現代ビジネス研究所研究員。近著に『9割の買い物は不要である』(秀和システム)。
丸山晴美さん/消費生活アドバイザー、節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー。著書に『「貯まる女」になれる本』(宝島社)など。
文/野原広子、取材・文/藤岡加奈子
※女性セブン2021年12月9日号