岸田政権が打ち出した55.7兆円にも及ぶ経済対策には住民税非課税世帯への1世帯あたり現金10万円の支給が盛り込まれた。該当するのは生活保護の受給者や、前年の所得が一定以下の場合だ。自治体や扶養家族の人数などにより水準は異なり、65歳以上の単身者なら年金収入155万円以下で住民税非課税となる(東京・港区の場合)。
給付時期など詳しい内容はこれから決まる。申し込み手続き不要とされるが、詳細は未定なので、今後も情報を注視する必要がある。
一方、「申請」が必要な給付制度もコロナ禍などで拡充されている。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢氏が解説する。
「緊急小口資金は、新型コロナなどの影響で収入が減少した場合に保証人不要、無利子で最大20万円を借りられます。もともと今年11月までの特例措置でしたが、来年の3月末まで申請期間が延長されました。従来からある制度ですが、コロナで要件が緩和されました。市区町村の社会福祉協議会に相談してみましょう」
失業した場合などに生活資金を3か月間で最大60万円まで借りられる総合支援資金も、来年3月末まで期限が延長された。ファイナンシャルプランナーの鴇巣(とうのす)雅一氏が解説する。
「私は昨年、自身の怪我もあり、数百万円規模の減収となり、総合支援資金で満額の60万円を借りました。主に失業者向けの貸付ですが、私のように収入が激減して、生活の立て直しが必要な場合でも利用できることがあります。貸付金の償還期限は10年以内、利子や保証人は不要です」