カレーライスのトッピングの王道といえば「カツ」。多くのレストランや食堂で「カツカレー」が人気のメニューとなっている。しかし、そんなカツカレーに対して、予備校講師でタレントの林修氏が展開した持論が、ちょっとした物議を醸した。
2021年11月28日放送の『日曜日の初耳学』(TBS系)で、飲食店プロデューサーの稲田俊輔氏にインタビューした林氏。稲田氏がカツカレーについて「1+1が1.5くらいにしかならない」と評すると、林氏も賛同したのだ。林氏は、カツがおいしいお店だからといっておいしいカレーが作れるわけではないし、カレーがおいしいお店はカツをおいしく揚げる技術をもっているわけではないなどと持論を展開。「カレーとカツは別々に食べたい」と話した。
そんな林氏の主張について、カツカレー愛好家たちは黙っていない。ネット上では〈カツカレーは日本人の最も偉大な発明の一つ〉、〈ルウが染み込んでフニャついた衣のトンカツをガブッと行くのが好き〉、〈カツカレーは1以下のカレーと1以下のカツを合わせることによって1.5にする神料理だぞ〉などの意見が投稿されている。
外食チェーンに詳しいライターの小浦大生氏はこう話す。
「林先生がいうように、確かにカレーはカレーで食べたほうがカレーとしてのおいしさを体験できるし、カツも同じだとは思います。しかし、カツカレーにはカツカレーにしかない魅力がたくさんあるんですよね。たとえば、カツのサクサクした食感とルーが染み込んだ衣のしっとりとした食感を同時に味わえるのは、カツカレーならでは。また、とんかつソースやウスターソースをカツにかけて、カレーと一緒に食べることで複雑な味わいを楽しむこともできます」
食べ方次第で食感も味も変わる
実際にカツカレー愛好家たちの意見を聞いてみよう。都内に住む会社員のAさん(30代男性)は、週に1回くらいのペースでカツカレーを食べる。Aさんは、カツカレーの魅力についてこう話す。
「『かつや』や『松のや』などのリーズナブルなとんかつチェーンでよくカツカレーを食べます。カツカレーの大きな魅力は、食べ方次第で食感も味も変わるところですね。
最初はスプーンでカレーとライスを少しだけすくい、そこにサクサクの状態のカツをのせて、ガブッといくんです。口の中でサクサク感とカレーのドロッとした感じが混じり合って、なんともいえないおいしさが生まれる。中盤ではルーをカツにしっかりかけて、それをライスと一緒に口に運び、一体感を楽しむ。『かつや』であればキャベツの千切りも一緒に盛られてくるので、それも一緒に混ぜて食べるのも最高です」(Aさん)