こういう使い方ができるのは動画サイトならではだ。ダイエット目的のエクササイズであれば、標準再生にして一緒に実践。わかりにくいところがあればスロー再生にして、動きをしっかりチェックしてから標準に戻すこともできる。自分の普段の生活の体感時間に合わせたスピードにすることで、理解も定着もしやすくなるという。
「いまや、全部同じスピードで動画を再生するのは耐えられない自分がいる。標準再生だと遅く感じて、イライラすることさえあります。私の生活の中に、倍速再生という選択肢がなくなることは、もう考えられません」
動画+コメントの同時視聴に注意
動画とともに感想コメントなども一緒に視聴するコンテンツを倍速視聴する際は、思考系脳番地を衰えさせる可能性があるため注意すべきだと加藤さんは言う。動画を見た場合、通常は自分の脳で理解し、記憶し、自分の言葉でほかの人に伝える。ところが、倍速視聴で理解が浅いところに他人の意見も情報として入ってくると、自分の理解力や感情が追いつく前にそれを受け入れてしまう可能性があるという。
「無意識のうちに、より大きな感想や意見に引っ張られやすくなるということです。自分なりの思いがあったとしても、評価の大勢が決まっていると、異なる意見は外に出さずに隠してしまう、同調圧力に負けてしまうのです」(加藤さん・以下同)
とはいえ、こういう可能性があるということをわかったうえで見る分には問題なく、むしろ、多くの情報を一度に処理するという高度な働きをしていることになる。